(けいついしょうせい しんけいこんしょう)
- 手に痺れ感じる
- 手の感覚がにぶい
- 肘から先がビリビリする
- 朝起きると固まって動きずらい
- 長時間同じ姿勢でしびれてくる
頸椎症性神経根症の症状
頸椎症性神経根症は、頸椎(首の骨)の変性や損傷が原因で、頸部の神経根(脊髄から出ている神経)が圧迫される状態を指します。この状態は、さまざまな症状を引き起こすことがあります。以下に、頸椎症性神経根症の主な症状について解説します。
頸部痛
首の痛みや違和感が、頸椎症性神経根症の最も一般的な症状です。痛みは、首の後ろや横側に現れることが多く、頭を回す動作などで悪化することがあります。
肩や腕の痛み
圧迫された神経根によって、肩や腕に放射痛が生じることがあります。痛みは、腕の内側や外側、手指にまで及ぶことがあります。
筋力低下
神経根の圧迫が進行すると、それに伴って筋力低下が現れることがあります。特に、上肢の筋力低下が目立つことが多いです。
痺れや感覚異常
神経根の圧迫により、手指や腕に痺れやしびれが生じることがあります。また、感覚異常も現れることがあり、触感や温度感覚が鈍くなることがあります。
頭痛
頸椎症性神経根症による首の痛みや筋肉の緊張が、頭痛を引き起こすことがあります。特に、後頭部やこめかみ周辺に痛みが現れることが多いです。
不安定歩行
頸椎症性神経根症が進行し、脊髄が圧迫されると、不安定歩行やバランス障害が生じることがあります。
頸椎症性神経根症の治療方法
これらの症状は、頸椎症性神経根症の重症度や進行状況によって異なります。また、症状は個人差があり、全ての症状が現れるわけではありません。頸椎症性神経根症の症状が疑われる場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。
①保存的治療
軽度から中程度の症状に対しては、保存的治療が試みられます。痛み止めや筋弛緩剤の投与、安静による痛みの軽減、温熱療法や冷却療法などが行われます。また、理学療法やマッサージが用いられることもあります。
②リハビリテーション
筋力低下や感覚異常の改善を目指して、リハビリテーションが行われます。筋力トレーニングやストレッチングを通じて、筋肉の柔軟性とバランスを回復させることが目的です。
③姿勢矯正
悪い姿勢が神経根の圧迫を引き起こすことがあります。姿勢矯正や人間工学(エルゴノミクス)の指導を受けることで、症状の改善や再発防止に繋がります。
④外科手術
保存的治療やリハビリテーションによって症状が改善されない場合、または神経根圧迫が重度である場合には、外科手術が検討されます。手術によって、圧迫された神経根を解放し、症状の改善を目指します。
頸椎症性神経根症の治療は、患者の状態に応じて個別に決定されます。適切な治療を受けることで、症状の改善や日常生活の質の向上が期待できます。早期の診断と治療が重要であるため、症状が現れた場合は速やかに相談を受けましょう。
頸椎症性神経根症と腰痛について
頸椎症性神経根症と腰痛は、直接的な関係はありませんが、間接的に関連していることがあります。以下に、頸椎症性神経根症と腰痛の関係性について解説します。
①姿勢の悪化
慢性的な頸椎症性神経根症が、全身の姿勢の悪化につながることがあります。首や肩の痛みにより、自然と前かがみの姿勢をとることが多くなり、それが腰や背中に負担をかける原因となります。この結果、腰痛を引き起こすことがあります。
②筋力不均衡
頸椎症性神経根症が原因で、首や肩周辺の筋肉のバランスが崩れることがあります。筋力不均衡は、全身の筋肉バランスを悪化させ、腰痛を引き起こすことがあります。
③運動不足
頸椎症性神経根症の痛みが原因で、運動量が減少することがあります。運動不足は、筋力低下や筋肉の柔軟性の低下を引き起こし、腰痛のリスクが高まることがあります。
④神経伝達の障害
神経根の圧迫や脊髄の損傷が重度である場合、神経伝達の障害が生じることがあります。これにより、全身の神経機能が低下し、腰痛や他の症状が現れることがあります。
これらの要因により、頸椎症性神経根症と腰痛が間接的に関連することがあります。しかし、これらの症状が同時に現れる場合でも、それぞれ異なる原因で発症していることがあるため、両者の関係性については個々の状況によって異なります。適切な診断と治療が重要であり、症状が現れた場合は、専門医の診察を受けることが望まししいです。