
- 歩いてると足が痛い・しびれる
- 長時間歩けない
- 腰を反らせると症状が強くなる
- 病院で手術を勧められた
- 寝起きに足がしびれている
脊柱管狭窄症とは?
〜背骨の中の「神経の高速道路」が渋滞している状態〜
まず、背骨の中には「脊柱管(せきちゅうかん)」というトンネルがあります。
これは言ってみれば神経の高速道路です。この中を、足や腰を動かすための大事な電線(神経)が通っています。
ところが…
- 年をとったり、
- 長年の姿勢のクセで骨や靭帯が厚くなったり、
- クッション(椎間板)がつぶれて広がったり、
すると、このトンネルが狭くなってしまいます。
まるで高速道路が「工事中」で渋滞してるようなイメージです。
①トンネル内の渋滞=神経の圧迫
例えば、夜の高速道路で事故が起きて、トンネルの1車線がふさがっているとします。
そうすると、車は思うように進めませんよね?
それと同じように、神経が通っている脊柱管が狭くなると、信号(神経の電気信号)もスムーズに流れなくなります。
その結果:
- 足がしびれる
- 歩いているとだるくなる
- 腰やお尻が重い・痛い
- 前かがみになると楽になる(これは“渋滞のない側道に逃げた”ような状態)
こういった症状が出てくるんです。
②歩くとつらくなる=電気配線の熱暴走
神経は、電気のような信号を流して筋肉を動かしています。
でも、その配線がギューッと押しつぶされると、流れが悪くなるんです。
そして歩くことで「配線の中が熱くなる」と、熱暴走のようにピリピリしたり、しびれたり、力が入らなくなる。でも、少し休むと冷える=症状が一時的に落ち着く。これが「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。
原因は?
脊柱管狭窄症は、背骨の構造物(骨・椎間板・靭帯)が変性することで起きます。
それを「家」に例えると…
- 椎間板(クッション)=床下のクッション材。これがつぶれると、家全体が傾く。
- 骨棘(こつきょく)=老朽化して出てきた壁のヒビや突起。
- 黄色靭帯の肥厚=天井の梁(はり)が太くなって、空間が狭くなる。
これらが合わさって、家の中の「廊下(=脊柱管)」が通りにくくなる。
それが「神経の圧迫」というわけです。
治療は?〜渋滞をどうやって解消するか〜
これは、渋滞のルートを整備しなおす方法です。
- 骨盤の歪みを整える(道の土台を直す)
- インナーマッスルの強化(橋脚を支えるケーブルを補強する)
- 前かがみになる姿勢を楽に保つストレッチ(抜け道を用意する)
具体的には、こんなことを行います:
- 体幹トレーニング(腹横筋・腸腰筋など)
- 骨盤調整・距骨調整
- 神経リリース手技(手で神経周囲をゆるめる)
- 電気治療・微弱電流で神経回復を促す
✔ 手術療法
どうしても渋滞が解消しないときは、工事車両(手術)でトンネルを広げるしかありません。
ただし、手術はあくまでも最終手段です。
脊柱管狭窄症は、治らない病気ではありません。
もちろん個人差はありますが、からだ全体のバランスを整えてあげることで、手術をせずに改善する方もたくさんいらっしゃいます。
私の臨床でも、「もう歩けないかと思った…」とおっしゃっていた方が、今は週に何度も散歩を楽しんでいるケースもありますのんでお気軽にご相談ください。